２月２４日完結！！【年下イケメンの鼻っ面に人参】

不器用な想いは誤解されがち

邪魔になるかも知れないが、ここは下りていき電話に出るべきだろうと、敦美は一段足を下げた。

「出なくていい！」
隆二の大きな声に敦美は体をすくませた。

恐らく昌子が出ようと受話器に手を伸ばしたのかもしれない。敦美は、またその場に身を潜めた。

鳴り止まない電話の音が響き渡る。

ーーーそうだ。二階で私が受ければいいんじゃない。なんで思いつかなかったんだろ。

二階にも子機があり、電話を受けることが可能だ。敦美は、二人の話の成り行きが気になったものの階段を上って二階で無事に電話を受けることに成功した。

「お待たせ致しました。セイレン株式会社でございます。…はい、それでしたら当社でお取り扱いがごさいます。価格は…」

防犯グッズの商品問い合わせの電話を受けながら、敦美は商品カタログをめくった。