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有人が固まる敦美に
「俺、敦美さんの心が欲しい」
と言った。
その言葉を聞いて敦美は思わずホッとしていた。
「なんだ…びっくりした」
「なんだって何? 相変わらず敦美さんは酷いよなぁ〜。俺の気持ち全然わかってないんだから」
ぷうっと頰を膨らます有人。
「違うの、アルくんが『敦美さんが欲しい』って言うから、すっかり勘違いしちゃって」
「勘違い? あっ、もしかして敦美さんっ…エッチなこと想像してたの?」
「違うよ、違う! そうじゃないから」
赤くなりどうにか取り繕おうと必死になる敦美の肩に手を置いた有人。
ジッと敦美の瞳を覗き込んだ。
「な、なに?」
「いーよ。俺は敦美さんの考えた方が先でも」
「え?!」
「鈍感な敦美さんには、わかんないのかなぁ? 」
有人は敦美の髪に触れ、髪を耳にかけ敦美の耳に口を寄せた。
そして、有人は
「……体も心も全部プレゼントしてくれてもいいよ。敦美さん」
と色気たっぷりの声色で囁いた。
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