年下だろうが男は男

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ベッドに腰掛け足を組んだ美月。 「話が合うと思うかって、相手が聞きたかったとするよ?」 偉そうな先生に注意されている生徒のように、立たされた状態の敦美は頷く。 「うん」 「例えばよ、『俺と話が合うと思う?』って男が聞いて『合うと思う』って女が答えたとするでしょ?」 「うん」 「必然的に『俺たち気が合いますね』ってことになるでしょ?」 「う、うん」 敦美は、ごくりと唾を飲み込む。 「なら『俺たち付き合いますか?』ってことになるよ」 わざとゆっくり話す美月。 「うそっ、えー!まさか」 わざとじゃないのに、わざとらしいくらいに敦美はビックリしていた。 「逆によ、面会する方の『会う』って意味の場合は、簡単。『俺に会いたい?』『会いたくなったんじゃない?』っていう、ちょっとナルシストっぽい男の口説き文句でしょう」 「う、うそっ」 敦美は、両手で口を押さえる。 「大丈夫よ。慌てないで。こんな時は…」 スマホ画面を勝手にタップし、文字を入力する美月。 「美月、やめてよ!勝手に!」 敦美は美月の横に座りスマホを取ろうと必死になる。 もみ合いベッドに倒れこみ、2人で敦美のスマホを奪い合う。 ようやく、スマホを取り替えしたあと、 「うわっ!」っと声を上げた敦美。 「ん?」 「送っちゃってるじゃない!!」 「だって、敦美ちゃんが押したからさ〜仕方ないじゃん」 ベッドに起き上がった美月は、ニヤッと笑う。 「さて、私は先にリンゴ食べとくね〜」 ベッドから降りる美月。 「美月!!」 美月を捕まえようと手を伸ばしたが、いつも通りに、すばしこい美月には逃げられてしまった。 ーーーもうっ! 美月ってば勝手にぃ。 ベッドの上に正座をした敦美は、スマホを持ったまま頭を抱えた。
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