746人が本棚に入れています
本棚に追加
/126ページ
年下だろうが男は男
ーーー今日は変な1日だったな。
乳白色の湯につかりながら、敦美は肩にお湯をかけた。
ーーー朝から懐かしく10年ぶりにアルくんに会って、昼は、杉谷さんから思いがけない話を聞いて。夜は、アルくんにからかわれて。
湯船につかりながら、敦美は棚にあるメイク落としに手を伸ばした。
タオルで手を拭き、メイク落としを掌に2回プッシュして顔にのせてなじませていく。
ーーーアルくん、いい感じのオトナになってたな。
目を瞑りメイクを落としながら、敦美は、顔を綻ばせていた。
ーーー東大卒か。凄いなぁ、アルくん。頑張ったんだろうなぁ。
敦美は湯船から出て、小さなプラスチックの椅子に腰掛けるとシャワーの蛇口をひねった。
シャワーのお湯の温度を手で確かめてから、手にお湯を溜めて敦美は顔を洗い流す。
いつもと違う1日が敦美にドラマの主題歌をハミングする。
「フンフン…ンーウウン、ふふふ、ふんふんふんふんふんふーふーん」
少し音程が外れているが、敦美は気分良さそうに風呂を上がるまでハミングを続けていた。
最初のコメントを投稿しよう!