親愛なる英雄へ不満を込めて

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というのが二ヶ月前にあった。前世との邂逅は記録される。記録により俺は特進クラスに進めたものの結局誰かは分からず俺は得体の知れない奴として扱われており、話しかけてくる奴は殆どいn 「グハッ」 頭に衝撃を受け、苦悶の声が出る。 こんな風にいきなり殴ってくる奴は1人しかいない…。 「何度も何度も言ってるがひとの頭をいきなり殴るのはやめろ、中山。」 「人間に対してはそうだねヤマザキ」 「おい、それはどういう意味だコラ」 このくそ失礼な奴は中山聖。金髪は 短い。身長は俺よりやや低低い。見た目は完全に美人だ。だがしかし中身は適当で大雑把、生活能力は皆無で、 まるで野生動物の様だ。俺との関係は幼馴染みだがちっとも嬉しくない。 何故なら、 「ところでご飯はまだですか ヤマザキ。」 「その呼び方をやめろ。それとまだ二限だろ。」 そうこいつは俺に飯を集るからだ。 シッシッと中山を追い払いまた机に突っ伏す…………。 「……て…」 ……。 「……きて…」 誰かが揺さぶってくる。 「起きて……起きろたってんだろ ゴラァ!!」 「ゲファッ!」 頭に衝撃を受け強制的に覚醒する。 頭を上げると鬼の形相の中山が鞘に入っている剣を振り上げていた。 「…………中山、いったん落ち着こう感情に任せてもろくなことがない。」 「欲望に任せて眠りこけるのは良いんだ?」 …どうやら誤魔化せないようだ。クッこうなったら奥の手だ。俺は中山にバレないように弁当を片手に持つと 「そーら取ってこい!」 「ワン!」 投げた。思いっきり。そしてその間に俺は逃げる。具体的には気配を消して コソコソと廊下に出てそのまま食堂に向かう。 突然ですが俺の前世が分かってからできるようになったことを話そうと思う 何のことか、だって?ではそこから話そう。前世との対面を終えた者は超能力の他にできるようになることが ある。例えば農民なら農作業、武士なら剣術、といった感じだ。俺の前世は渡された記憶によると、騎士だったらしく近代兵器以外の武器に関する全てのことができるようになった。近接戦闘とか、……射殺とか…?何故そんな話をするのかと言うと、 「お前が山田沙樹か。」 「人違いです。」 「いや、人違いじゃないだろ。」 俺がやることの前提として俺の前世の記憶が関連していると説明する ためだ。 視界を覆い尽くすほどの人、人、人。 その誰もが頭に『中山さんを養いたいの会』と書いた鉢巻をしていた。そうあいつは影でファンクラブができる ほど人気なのだ。あいつ外見だけは綺麗だからな。中身はともかく。 中身はっ!ともかくっ、!! とまぁ、現実逃避もそこそこに、 どうやってここから逃げよう?何故 逃げるかって?それは向こうが目を血走らせながら殺意全開で襲い掛かろうとしているカラダヨ?捕まったら死ぬ気しかしない。剣を持ってる奴もいるので前世戦闘職もいるようだ。 ということでしつこいようだがとる 行動は一つ。 山田沙樹 は 逃亡 した。 そう逃げるのである。 近接戦闘が出来るとはいえ多勢に無勢 負けるのは目に見えている。ので、逃げる。後ろに振り向き全力ダッシュを かますも、塞がれた。くそっ!こうなったら精一杯暴れてやらぁ!!鞘に入ったままの剣の一つを手に取り相手に振り下ろそうとしたとき、 バラバラと音を立てながらヘリが屋上に降りてきて、 『1ーCの山田さん、1ーDの中山さん至急職員室まで来てください。』 俺が呼び出された。 突然だが、特進クラスの部活動について少し話そうと思う。 特進クラスの部活動は少し特殊だ。その内容はというと、 特進クラス所属の生徒は事務所を立ち上げる、もしくは他の生徒が立ち上げた事務所に所属し、企業ないし国家の依頼を受けるというものだ。 何故そのようなことになったのか? これまた唐突だが、社会はその超常的な力を一刻も早く利用したい。 だがしかしいかに有用とはいえ年端もいかぬ子供に労働を強要するのは世間体的にアウトそれに、超常的な力を振るう彼ら彼女らに普通の部活動をさせると死人が出かねない。一時期は特進所属を早く社会に出すように催促しまくり四六時中電話やメールが送られまくった時があった。その時、耐えかねたとある職員が「あれ?もしかして部活動と称して働かせれば良くない?」という発言が採用されて生徒に形だけでも事務所を立ち上げさせそこに依頼してもらい生徒を働かせるという制度を作った。 そして俺への影響は戦闘方面。 つまるところ、これから連れて行かれるのは 「………………………。」 「………………その、なんだ。……… …………頑張れ?」 戦場だ。 …………。 ……………。 「…それで、どのようなご用件で?」
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