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「……分かった。可能な限り協力する」
「よし、俺たちは戦闘のプロだ。そこら辺の素人イケメン集団とは訳が違う。格の違いを見せつけてやろうぜ」
「あぁ、必ず捕まえ串刺しにし、蒲焼きにして河原で晒し首にしてやる」
「その意気だ八雲!」
珍しく互いの腕を交差させた2人は揃ってモニターに向き直った。
「出現予定時刻は?」
「本日二〇〇〇」
「残された猶予は2時間……余裕だな」
「ヤツは神業の持ち主だ。目にも留まらぬ速さでズボンを脱がし、パンツのみを奪う。そして何事もなかったかのようにズボンを元に戻すんだ。気がつきゃノーパンってわけだ。全ての人間がパンツを奪われる前に一度転倒するのはこの為だと言われている。侮るな」
八雲はゴクリと生唾を飲み込むと、ざわつく心を落ち着かせるためホルスター内に忍ばせた愛銃を撫でた。
「この閉鎖空間で発砲は困難。爆薬も最小限にとどめたい」
「罠が必要だな。部屋に誘き寄せ、外に出させない方法が必要だ」
「あぁ。指向性地雷を全ての侵入経路に向けて設置する。一番小型で威力の少ない、こないだルカから送られてきた試供品を使おう。猫くらいなら木っ端微塵だ」
「問題は地雷自体が露出してることだな。隠密には向かない。方向を変えられたらこっちが被害を受けかねないぞ」
「その前に仕留める。そのためのアレだろ」
「にゃおちゅーる……!」
「そうだ、いいか? いくら魑魅魍魎とはいえ奴も所詮メス猫だ。俺が誘き寄せている間にお前がテーザー銃で電流を……」
その後、対テロ組織対策かというほどの完璧な作戦を構築させた2人は、自分たちがいかに滑稽に読者に見られているかにも気づかぬまま、予定時刻の20時を迎えるのだった。
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