青碧

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「香帆?」  怪訝な顔をした夫に香帆は「なんでもない」と肩を竦めた。  救急車がサイレンを鳴らし、動き出した。 「香帆、俺たちも行こう」 「ああ、そうだな」  夫の言葉に香帆は助手席に乗り込む。  見えなくなって行く救急車の背中に香帆は小さく呟いた。 「緒方、真琴を頼む」  香帆を乗せたランドクルーザーも、朝の光に向かいゆっくりと走り出した。 Fin.
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