プロローグ

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女を先に乗せるために男が助手席のドアを開けている。 車の後ろに隠れながら、偵察を続けることを全く躊躇している様子のない柿沢に若干不安を覚えるひとみ。 「でも社長」 「きみは自分の彼氏が浮気してるか確認したいって言ってただろ?あいつらは車なんだ」 柿沢は、チラッとひとみの下半身を見た。 「きみの短めな足で、あのスポーツカーには到底追いつけない。だから俺の車で彼らを尾行すればいいだろ」 「短めな足って……ひどくないですか? そりゃ社長と比べたら長くはないかもしれないですけど それはそうなんですけど でも社長……どうしてここまでしてくださるんですか?」
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