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俺たちは、恥ずかしさに押しつぶされそうになりながら街道を歩き、十一時半には目的地に到着していた。
遊園地についた俺たちは、すぐに昼食を取ることにした。
フードコートを見るなり女子二人の腹が悲鳴をあげたからだ。
「やだああ」「恥ずかしい」
まったく、おてんば娘たちの胃袋は実に正直である。
正午になるころ、俺たちは食料をそろえて食事スペースに座っていたわけだが、俺と香花と菫は危機に瀕していた。俺たち三人が庵の前に縮こまって座っている。
「お前ら……どうして去年の二の舞なんだ。とくに葵と香花! お前たちの辞書には、反省という言葉がないのか!」
「……ごめんなさい」
俺たち三人が同時に頭を下げた。その前には、ジャンクフード系の大量の食品が山積みになっておかれている。
「いや、席を俺が取りに行ったことが間違いだったわけだ」
「ほんと、すみません」
俺たちは、食事のことになると恋以上に脳が単細胞になる。それぞれが別々に店をまわり、好き放題買いしめてしまったのだ。
庵の説教を受けた俺たちが机に目を向けると、大量の食糧たちが、まだ少し冷たい風に吹かれていた。
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