15人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふう~っ、もうお腹いっぱい! 美味しかったあ~」
菫は心から満足したという顔で手を合わせた。俺たちはしばらく言葉を失っていた。
あの庵でさえもドン引きしている。
「う、うそだろ、菫どんな胃袋してんだよ」
「ほんとに……ねえ菫ちゃん、お腹大丈夫なの?」
庵と同じように香花も心配するが、すみれはきょとんと首をかしげた。
「ん? みんな、どうしてそんな顔しているの?」
「いや、なんでもないぞ、菫」
俺がそう言うと、菫はもう一度小首をかしげた。
菫は体内にブラックホールでも備えているのだろうか……。
それから少し休み、腹が落ち着き始めたころ、香花が机の上に目をやった。
「ねえ~これどうするのよ、さすがにもう入らないし、捨てられるって量じゃないし、持って帰られる量でもないわよ」
「そうだな……」
俺達は思わずため息をついた。
菫が俺たちの二、三倍食べたとはいえ、それでもかなり手付かずの食品が残っていたのだ。
最初のコメントを投稿しよう!