第一章~菫、転生~

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 俺たちは一切の事情を話し、見事お荷物を手放すことができたのである。 「いやあ~本当に助かったよ! ありがとう!」  俺たちは、弁当を積み忘れたお父さんに厚い感謝をされた。 「い、いえいえ! 俺たちも困っていたので」 「ありがとう! お姉ちゃんたち!」  小学校高学年くらいの女の子が、はじけんばかりの笑顔で俺たちにお礼の言葉をくれた時には、さすがに俺たち四人は心臓を抜かれかけた。  菫で慣れていたつもりだが、やはり小さい子の笑顔はすばらしい。 「本当にありがとう! 君たちがいなければ、私は子どもたちに袋叩きにされていたよ」 「こちらこそ、助かりました」  俺たちは、船岸さん一家と分かれて遊園地のアトラクションへ向かった。 「ねえねえ! まずはなに乗る?」 「おい香花、いきなり激しいのやめてくれよ。俺の腹はまだ少し苦しいのだからな」 「庵のいう通りだ」  俺が庵に同意すると、女子二人はなぜか口をとがらせた。  うん、これは危うく昼飯リバースコースターに乗せられるところを、間一髪で防げたようである。
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