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「きゃ~~~っ!」
「……」
俺と庵は、無論楽しくない訳はないのだが、いよいよ疲れていた。楽しい一方で、体は休息を欲している。
俺の横では菫が、庵の横では香花が、それぞれ楽しそうに悲鳴を上げている。
「あれ? 葵は叫ばないの? 最初の方はすっごく楽しそうに叫んでいたじゃない」
「いや、もちろん楽しいけど、少し疲れただけだ!? っつ!」
「どうしたの? 葵……きゃ~~~っ!」
俺は何とか、痛みを我慢して叫ぶのを堪えた。菫よ、お前はどうしてそんなに喋って舌をかまないんだ!? と言いたかったが、それは俺の舌をさらに苦しめそうだったので、やめておいた。
約一分後、地上に降り立った俺と庵は一層くたびれていた。
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