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「葵、このハンドルで速くなるんだね?」
俺が菫に目をやると、彼女はわくわくした顔でハンドルを持っているではないか!
「す、菫? 何考えてる! なあ、あれを見ろって、ばか、死ぬぞ、やめろよ」
「……えいっ」
「あっ……」
俺がそう言った時にはもう遅かった。俺達を乗せたカップは、高速回転を始めている。
「きゃあ~~~っ!」
「すみれええ~~っ‼」
「あおい~っ! た~す~け~て~~!」
俺達はそれぞれ悲鳴を上げ、しばらく回り続けた。
それからほどなくしてカップは止まった。俺達はふらふらしながら降り、思わず立ち尽くす。
「つ、疲れた」
「ま、まったくだ……」
「おええ……」
「あおい~ごめんねえ~」
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