第一章~菫、転生~

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「葵、このハンドルで速くなるんだね?」  俺が菫に目をやると、彼女はわくわくした顔でハンドルを持っているではないか! 「す、菫? 何考えてる! なあ、あれを見ろって、ばか、死ぬぞ、やめろよ」 「……えいっ」 「あっ……」  俺がそう言った時にはもう遅かった。俺達を乗せたカップは、高速回転を始めている。 「きゃあ~~~っ!」 「すみれええ~~っ‼」 「あおい~っ! た~す~け~て~~!」  俺達はそれぞれ悲鳴を上げ、しばらく回り続けた。  それからほどなくしてカップは止まった。俺達はふらふらしながら降り、思わず立ち尽くす。 「つ、疲れた」 「ま、まったくだ……」 「おええ……」 「あおい~ごめんねえ~」
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