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「おっ、お前の嫁の方が早かったな、葵」
「おい庵、そのいい方はまだ早いぞ!」
俺が庵に抗議していると、俺たちの前に一人の少女が姿を現した。その傍らには、長髪黒髪の、まるで過去から来た若様のような男性が控えている。
「おはよう! 二人とも」
「ああ、菫、葉室さん」
「葵様、庵様、おはようございます」
俺たちは、思い思いに挨拶を交わした。
この金髪の少女こそ、俺の彼女、槐 菫である。彼女のそばに控えるのは、槐一族に代々仕える葉室一族の明日真さんだ。
しかし、今でも時々現実を夢だと思ってしまう。菫は、一年前まで男の子だったのだから。
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