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「それは誠ですか? 香花様、最後にご使用になられたのは」
葉室さんがそう言ってくれるが、香花は軽くパニックを起こしている。
「分からない! えっ、一体いつ落としたのよ。ごはんの時は持っていたわ。もしかしてジェットコースターにでも落としたかしら」
「仕方ない。葉室さん、少し待っていてもらっても良いですか? 俺達、少し探してきます」
庵の言葉に、葉室さんがうなずいた。
「ええ、私も馬で探しに行きます」
「もうっ! 大丈夫だから、明日真はこれ以上目立つことしないで! 私が恥ずかしいじゃない」
菫が忠実な執事を制止した。確かに、あんなイケメンが遊園地を白馬で駆けたりすれば、本人だけではなく、俺達まで軽く有名人になってしまうだろう。それはさすがに俺も恥ずかしい。最悪、学校で話題になりかねない。
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