第二章~香花、絶叫~

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 葉室さんを何とか押しとどめた俺達は、手分けして今まで行った場所を見て回り、さらには窓口を訪ね、聞き込みも行った。  かねてより約束していた十五分が過ぎたため、俺達は合流したが、全員が手ぶらであった。 「どうだった?」 「ああ、こっちは手掛かりなしだ」  俺たち四人は、同じような報告しかできない。 「まいったな、もうすぐ日が落ちるぞ」  おまけに、香花はゲームのやりすぎと、カメラ機能の使い過ぎで充電も残りわずかだというのだ。俺が呼び出しても繋がらないのは、恐らくすでに電池切れなのだろう。  その時、背後から聞き覚えのある声が聞こえた。 「お~い、君たち~」 「あ、あなたは」  俺達が振り返ると、そこには昼間相互協力した船岸家の皆さんが立っていた。
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