第二章~香花、絶叫~

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「どうしたんですか?」 「いや~っ探したよ。これ落としたの、香花ちゃんだと思うんだけど」  弁当を忘れたお父さん……龍太さんが差し出したのは、間違いなく香花のスマホであった。 「うそっ! あ、あの、どこに落ちていたんですか? と言うか、どうして私のものだって……」  俺達も驚きを隠せない顔で、龍太さんを見つめた。 「いやあ~私達も驚いたよ! まさか、同じジェットコースターに乗っていたんだからね」 「どういうことですか?」 「いやね、さっきのジェットコースターに、私と子ども四人も乗っていたんだよ。その時に私の娘……ナミが前の方からスマホが飛んで来たって、それをキャッチしてね。待ち受けがこれだったから」  香花のスマホの待ち受けは、菫が女の子になって、俺たち四人が再開した時の写真だ。実に持ち主を特定しやすい。  香花のスマホが見つかったのは良かったが、それにしてもすごい偶然であった。それに、ナミちゃんが飛んできたスマホをキャッチしたと言うのも、なかなかすごい才能だと思う。  
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