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「とにかく、ありがとう! ほんとにありがとう!」
「いえいえ、私達は昼間食糧を恵んでもらったからね。これくらいじゃ恩返しにはならないよ。それにしても、香花ちゃんも菫ちゃんも綺麗だね」
龍太さんの言葉に女子二人が照れている。
「ちょっとお父さん! 何言ってるの!」
ナミちゃんが父親の背を強かにひっぱたいた。彼女曰く、船岸家ではよくある光景だという。
「ごめんね~うちの変態親父が」
ナミちゃんが、申し訳なさそうに言うと、香花は笑顔で首を横にふった。
「ううん、それより、ナミちゃんもありがとう! 私のスマホ取ってくれたんでしょ」
「そんな、偶然だよ。でも、私も驚いたわ。前の席からスマホが飛んできたんだもん」
二人の女子は何やら気が合いそうだった。彼女たち船岸家の皆さんは、雪華海街に住んでいるわけではないので、頻繁に会えそうになく、女子二人は菫も入れて仲良く連絡先を交換し合っていた。
「じゃあまたね!」
俺達は船岸家の皆さんと別れて、遊園地の出口に向かった。
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