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街の大型スーパーについた俺たちは、手分けして買い物をすませた。
買ったものは今夜の食材だ。菫の家、つまり槐家の屋敷には広い中庭があり、そこでバーベキューをするのである。
しかし、あるいみ予想どおりカオスな買い物だった。
菫は俺たちと金銭感覚がけた違いにずれているので、肉にしろ野菜にしろ、無自覚で高級なものばかり買い物かごに入れるのだ。
まあ今回は菫の祖母、静香さんの計らいで、お泊り会の費用はすべて槐家が出してくれるというので、まあそこは良しとしよう。
しかし香花と菫は案の定、菓子に目がくらんでしまうのだった。
俺と庵がうっかり目を離したすきに、買い物かごは多種多様なお菓子の山である。
「おい二人とも! これはなんなんだ!」
「なにって、見てのとおりお菓子よ、庵」
「はあ、これはだめだ」
庵の口から、大きなため息と苦笑がもれた。
そして葉室さんは葉室さんで、姿が見えないと思えば、やはり女性陣に取り囲まれて身動きできない状態になっている。
「葉室さん! なにしているんですか、女性たちに流されないでください」
「いやあ、申し訳ございません、葵さま。私、お恥ずかしいことながら、女性の扱いは不慣れでして……しかし、彼女たちをぶっきらぼうに追い返すわけにもいかないでしょう?」
葉室さんの、どこか子どものような輝く瞳に、俺は言葉を失った。
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