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玄関を経て屋敷の客間に上がった俺達は、思わず声を上げた。
「うわあすご~い」
「ああ、そうだな!」
「まったくだ……あの時とは、まるで違うな」
俺達は広い客間と居間を眺めた。確かに以前静香さんに招かれて訪れたときの生活感の無い状態と比べて、雲泥の差だった。
「ようこそ、槐の屋敷へっ!」
菫が改めて笑顔で俺達を招き入れた。
「ああ、よろしくな! 菫」
俺達にとって、二度目となるお泊り会の始まりだ。
さて、今回槐家に招かれたのは俺達三人だけではない。俺達を除くお泊り会参加者は、まず俺の兄貴と妹のさくら、そして御神ヶ丘高校へ行き、サッカー部同士練習試合をした時に菫、香花と意気投合した山南 香凛ちゃんだ。
そして今槐の屋敷には、槐一族当主の静香さん、菫の弟の香澄と葉室さん、それに、槐家と葉室家の血を引いて葉室さんの元で働く若い巫女さん七人の、総勢十七人が集まっていた。
俺はここで断言しよう。これだけ個性の塊と言える者が集まれば、これまでにない渾沌の嵐が来ると。その夜は香花の掛け声と共に始まった。
「さあ、みんな! バーベキューしましょう。楽しいお祭りの始まりよ!!」
「おお~っ!!」
屋敷に元気のよい声がとどろいた。
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