第二章~香花、絶叫~

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 そう言う訳で俺達は、全員で手分けしてバーベキューの支度にとりかかった。女性陣と男性陣に分かれ、それぞれが食材の下準備と火の準備を担当したのである。 「バーベキューなんて何年ぶりだろうな、葵」  そう言ってうきうきしているのは俺の兄貴だ。確かに、ここ最近はそのようなイベントを家族でした記憶はない。 「昔はよく、三家合同でやってましたよね」  楽しそうに言葉を返したのは庵。この二人は何気に気が合っている。 「では皆さん、中庭へご案内いたします」  俺達の後ろから、葉室さんが笑顔で現れた。彼のそばにいる香澄はもう慣れたのだろうか。葉室さんはいつもの長い衣装ではなく、比較的動きやすそうな格好だが、それでも彼の持つ魅力というものは相変わらずだ。俺は、いや恐らく庵も兄貴も、その魅力に瞬間捕らわれていた。 「皆さま? どうかなさいましたか」 「い、いえ、なにも」  俺達はそう言って葉室さんの後をついて行った。イケメンというのは、そうあることを自覚しないものなのだろうか。  客間を出て、長い廊下を迷路のように歩くと、それらしい場所に着いた。 「う……む、こ、これは凄いな」 「あ、ああ」  俺達は眼前に広がる空間を見て、思わず立ち尽くした。兄貴に至っては、あごが外れたかのように口を開き、同じように眼球が大きくなっている。
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