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「私で最後っていうのが納得いかないけど、全員そろったわね」
「そうだな」
香花が言うと、庵が左目を隠す前髪をかき上げてうなずいた。彼に続き、俺と菫も笑顔でうなずく。
「それじゃあ、行くか!」
「ああ」
俺たちは、高神公園を軽快に飛び出した。
「では皆さま、ご存分に。お約束のお時間までには、お迎えに参りますのでそれでは失礼を」
葉室さんはうやうやしく俺たちに挨拶を残し、馬車に乗り込んで屋敷へ帰っていった。
俺たちは葉室さんとは正反対の方角へと、歩みを進めていったのである。
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