episode47.大切な新しい生命

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           * 電話で話してるのを美咲くんに聞かれたらまずいので、あの後二人に速攻連絡をし、数日後ランチをすることになった。 もちろん私が招集した二人は...。 「まさか茜からそんな話が聞けるなんて。もっと先になるかと思ってたよ」 「美幸さんの言う通りです。私もそう思っていたので、かなり美咲が勇気出したなって思ってます」 相談して早々、かなりの言われようだ。言い返す言葉もないので、私はひたすら二人の言葉を真摯に受け止める以外なかった。 「ご最もです。言い返す言葉もございません…」 「そうは言っても私も人のこと言えないんだけどね。真にそう言われてから妊活頑張って子供を授かることができたし」 先輩は妊娠中なため、仕事はギリギリまで頑張り、現在は休業中だ。もうすぐ出産を控えているので、とても大事な時期だ。 そんな時だけど、先輩は対応してくれた。さすがに出てきもらうわけにはいかないので、今日は先輩ん家をお借りしている。 「私も今、転職したばかりだし、そもそも今はパートナーがいないから考えられない気持ちはよく分かる」 綾香も綾香で今、仕事が大事な時だ。それにパートナーがいないと、なかなか考えられないものだ。 「皆そうだよね。私も今は考えられないな…」 「そりゃそうだよ。仕事が軌道に乗り始めた今、仕事に穴は空けたくないもん」 「そうね。私はある程度、今の仕事を始めて長いから休業しやすいけど、まだ仕事を始めたばかりの茜にはどうしても考えられないのは当然だと思うよ」 皆が共感してくれた。それだけで自分の心が救われた。 「茜の今の状況を見たら言えなかったんだと思うけど、将来のことを考えると早いうちに言っておかないとって気持ちにはなるよね」 「そうだね。出産のことを考えると、年齢を考えないと厳しいよね。何人欲しいかにもよるけども…」 もう私達も二十代の後半。もうすぐ三十も近い。現実的に考えなくてはならないことが増えた。 若くても出産というだけでリスクはある。何が起きるかなんて分からない。 それに私がちゃんと親になれるか不安だ。今は自分の好きなことだけをして生きていたい気持ちが強い。
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