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《先に着いたけど、美咲さんは今、どこにいるの?》
まだ電車の中かな?そうだと思いたい。来ないとかいうパターンではありませんように…。
ピロリン〜♪…と、メッセージが届いた音が鳴った。指でタップし、開いてメッセージの内容を見た。
《もう着いた。今、目の前を見て?》
目の前…?恐る恐る顔を上げて周りを見渡して見たが、美咲らしき人なんていなかった。
だって今、私の目の前に居るのは男性だ。美咲さんは女性だもん。この男性なわけがない。
もしかして美咲さん、私をからかってるのかな?
着いたと見せかけて、本当はまだ電車の中とか…。
まさかこの男性のわけがないよね。
もしかして、美咲さんの代わりにこの男性がやって来たとか?
美咲さん、やっぱり美人さんだったのか。こんなにイケメンな彼氏と付き合ってるなんて、羨ましい。
彼氏がいるなら、早く教えてほしかったなぁ…。
…って、呑気なことを言ってる場合ではない。まず、この状況を把握するところから始めないと。
えっと、まず私は美咲さんの秘密を知るためにここへやって来た。
まだ来ていないと思い、メッセージを送ってみたら、本人から直接、今、目の前に居るというメッセージが着た。
そして、私の目の前には今、男性がいる…。
ってことはやっぱり、もしかして……。
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