秘薬まであと少し

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秘薬まであと少し

「行くよ」 「やれやれ」  テレージアは勇者を連れ、草の奥へ進む。 「この辺なんだがねぇ」 「確かか?」 「間違いない」 「何もないじゃないか」 「こんなはずは」 『この薬か? 婆さんが探してるのは?』  大男が薬を前に掲げる。 「それだよ。返しておくれ」 「なら、俺を倒すんだな」 「用意はいいか?」 「こっちの台詞だよ」  勇者は身構える。大男は砂を撒いた。 「うわっ」  テレージアは顔を払っている。 「婆さんから死ねや!」 「甘いよ」  テレージアは杖を向ける。 「これくらいでこの私を倒すつもりかい? あんたより長く生きてるのに、分からないはずあるまい。勇者、頼むよ」 「やれやれ、人使い荒いな」  勇者は大男を切り捨てる。 「これだよ。ご苦労だったね。さて、戻ろうか」  二人は魔女の家に戻る。
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