館改良

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「これで大丈夫なのか?」 「私の魔法も万全じゃない。重ね掛けをしても、いつかは破られる」 「その場しのぎか」 「そういうことだね」 「なに、不安そうな顔してるんだい。そのために、あんたがいるんだろう?」 「婆さんは気楽で良いね」 「今まで苦労してきたからね」  ため息をつく。 「さて、これでいいかな。少し休もう」  テレージアとお茶をする。 「もっと安全な場所に移動したいが、この近くにはないのさ」 「森だしな。町がないと」 「お前さんが住んでいたところにはないのかい?」 「あるにはあるが、婆さんだって住んでたところはあるんだろう?」 「それはね。だけど、戻りづらくなったね」 「目的を果たしてないから?」 「目的は果たしたさ。秘薬を手に入れたしね。戻っても、することが無いんだよ」 「そういうことか」 「頼りにしてるよ」 「とことん付き合うよ」
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