ノスタルジア

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   喧騒の中に佇み、何か考える訳でもなく、一件のカフェを見つけ、木製の椅子にゆっくりと座り、両脚を組む。目の前の丸くて白い小さなテーブルに両肘をつき、決して変わることのないテーブルをじっと見つめる。 「ご注文は?」  ウエイターの声に、顔を上げる。白いワイシャツと黒いズボンが似合う、スラッとした爽やかな若い男性。 「コーヒーをお願いします」  何も考えず、注文をする……。  彼は将来、お店を持ちたいのかな……。  何で、人の事ばかり考えてしまうのだろう。  止めよう!  自分に返ってくるだけだ。  更なる深い惨めな気持ちを味わいたくはない……。
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