野茨

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足に絡まる湖 途方に暮れて 立ちすくんで 揺れる夕日を眺めてた 耳の奥で神鳴が 胸の奥で神鳴が 鵺の鳴き声のように響いてた 去っていくのは雲ばかり 水面は黙って 月を落した 綻びた野茨 縫い合わせても 取り止めなく 散ってしまう 散ってしまう 両手から零れた赤 流されていく 届かない果てに 捕えられた黒髪 野茨は放そうとせず 切り刻む 腕に残る鮮やかな傷 耳の奥で神鳴が 胸の奥で神鳴が 鵺の鳴き声のように響いてた 去っていくのは雲ばかり 誰も立ち止まらない かかる吐息は 愛しさを歌った 綻びた野茨 拾っても拾っても 永く限りなく 消えてしまう 消えてしまう 足に纏わりついても 赤は 流されていくのでしょう 届かない果てに 覚束ない言葉も 届かない果てに あの天に伸びる木より果てに
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