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 その週末。父の日。  10時頃あくびをしながら起きてリビングに行くと、いつもは部屋で寝てるおじさんが起きてテレビを見ていた。 「おはよ。今日は早いじゃん」 「おはよう。……さっきコンビニでサンドイッチ買ってきたから、良かったら」 「ありがと」  向き合って座ってサンドイッチを食べ始めると、おじさんが言った。 「今日は予定は?」 「別に。テスト期間で部活もないし」 「ちょっと買い物の用がある。もし奈々も洋服とか何か学校で要るものがあれば一緒に行かないか」  行先は近くのショッピングモール。車の中であたしは言った。 「何買うの?」 「通勤用の鞄が傷んできたから、見てみるかと思って」  それ、あたしのお小遣い貯金でも買えるかな……。いや、でもそのレベルになると、おじさんも気遣うかもしれない。 「奈々は、何かあるか」 「……大丈夫なら、部活の靴いいかな。横擦り切れてきちゃって」 「そういう時は早く言いなさい」 「……ありがと」
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