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 高2。周りは付き合ってるのも居るし、いろいろ話も聞くけど、あたしは興味ない。 「……それは……」  言葉に詰まった山下にあたしは言った。 「あたしが先輩にケンカ売ってボコボコにしてテニス部辞めたのとか知ってんでしょ?」  今は人数の少ないバレー部の助っ人やってるけど。 「それは各務が売ったんじゃないだろ?相手が、その……各務の家の事情とか」 「口で言われたのに手で答えたのはあたしだから。って、そういう問題じゃなくて……なんかもうめんどくさいからいい。それじゃ」  歩き出すと、山下は後からついてくる。 「なに」 「各務んちまで。もう暗いし。この辺不審者情報とか出るだろ」 「別に。一人は慣れてるし」 「そーゆーことじゃねーだろ。事情はよく知らないけど……育ててくれてる人がちゃんといるんだから、何かあったら心配するだろ」  むっとして、あたしは口を閉じた。そんなことくらい、言われなくても分かってるけど他人に言われたくない。
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