想い

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想い

 大学時代、俺は運命だと感じるほど、本気で好きになった人がいた。いや、今思えば、ただ単にアルファの熱に浮かされていただけなのかもしれない。  あの人は俺にとっては縁遠い存在で、あの出会いも偶然でしかなかったのだ。ステージの上でも、下でも、周りの人たちを楽しませる。そんな人が、俺に惹かれるなんて思ってもみなかった。 「ノリ、好きだよ」  囁くあの人の声が、俺の脳内に響き渡る。 「俺も…」  答えようと声帯を震わせた。が、俺の口からは何の音も出なかった。
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