自宅にて(2日目)

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自宅にて(2日目)

 記憶の彼方に葬り去ったはずなのに、まさかアイツの夢を見ることになろうとは。  俺はあれから夕飯を食べることなく、自慰行為から疲労で寝落ちしてしまっていたらしい。俺は気づくとベッドの上でうつ伏せの状態で、背中には掛け布団をかけられていた。下着もちゃんと履いていた。部屋が薄明るくなっているから、もう朝なのか。  本当はそのまま寝ていたかったが、尿意には勝てず、重い身体を起こしてトイレへ向かう。途中、廊下のキッチンを見ると、作りおきらしきお椀や皿がラップをかけて並べられていた。  用を足し、冷蔵庫を開ける。まだあまり食欲が湧かないため、買いだめていたゼリー飲料を一気に飲み、再びベッドへ倒れこむ。  ボンヤリとした思考や頭とは裏腹に、身体の中にはフツフツと性欲が沸き上がっている。俺は無意識に股間と尻に手を伸ばし、自慰に勤しむ。呼吸が次第に浅くなり、鼓動が激しくなっていく。  一度頂点まで昇りきっても、まだ冷めることはなかった。俺は何も考えず、そのままその行為を続けた。
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