あとがきSS ~厄病神課、フェスティバルへ出店する。の巻~

3/4
前へ
/54ページ
次へ
厄「で、今年だ。どうする?」 山居「不幸試しとかどうですか? おみくじのように引いて、災難に遭うか病気になるか、そこは運次第。みたいな」 疫「ここは意表をついて恋愛成就とか。相手を病気にして熱心に看病し、その心を手に入れよう企画とかどう?」 厄「そうだなぁ・・・・・・。心を鍛える試練研修とかどうだ? 厄介事をこさえて叩き込んで精神を鍛えてやるとか」  さすが厄病神課。どこまで行っても死人(ひと)でなし集団である。 山居「でも、ここ数年一人ずつの能力で売っていますから、今年は先崎さんの能力を売っても良いかもしれないですよね」 歩杏「私!?」 厄「ああ、それは良い考えかもしれない」 疫「歩杏ちゃんコンセプトかぁ。可愛いのがいいよね」 山居「じゃあ、マリモのお土産みたいなのどうですか? 瓶に入ってるやつ」 疫「中にケサランパサランでも入れる? 協力してって申請すれば、許可下りるかもしれないよ?」 厄「そうだな。キャッチフレーズは厄病神溺愛体質を体験しよう!! さぁ、あなたも立ってるだけでレッツ巻き込まれ人生!!って感じか?」 歩杏「そんなの、誰が体験したいんですか」 厄「自分じゃなくても良いだろ? 嫌いな人に土産だと言って渡すのでもいい」 山居「例えば職場のパワハラ上司とかですよね。でも、ケサランパサランはちょっと・・・」 疫「じゃあ、綿をちぎって丸めてそれらしいもの作ればいいんじゃない?」 山居「カラフルに染めれば、可愛いかもしれませんね」  見た目は可愛いかもしれないが、それは中身がどうなんだと歩杏はこの人達の良心を疑う。 厄「よし、じゃあそれに決定しよう。先崎が力を籠める練習にもなるし、一石二鳥だ」  ―― そんな一石二鳥、なんか嫌だ。  そうは思ったが、その企画が正式に通ってしまった。
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加