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寮母さん曰く、幽霊や神様、魔女などの役職は、現世で言う公務員的な立場らしい。しかも、“神”と付くからには、やはり少しばかり地位が上らしく、他よりも雇用条件も福利厚生も充実しているのだそうだ。
あの世に来て、転職大成功である。まぁ、配属先が厄病神課だと思わなければ、だが。
どれだけ充実しているかと言えば、例えば衣食住。
住む所は宿舎があって、3食付きで家賃タダ。しかも一人部屋で、3LDK。
休日は土日祝。但し、担当する人物によっては、休日が変更になることもあるらしい。気が乗って休日出勤した場合は、きちんと手当が出る。代休もくれるそうだ。
就業時間は、朝8時半から夕方5時半だが、フレックスタイム制らしい。これも担当する人物によって変わるので、働く時間はいい加減とのことだ。残業手当は一応出るらしいが、普段がなぁなぁなので、誰も申請しないらしい。
給与水準は現世の大企業並みである。金の出所がどこなのか、ちょっと気になる歩杏だった。
ちなみに、あの世の運営費がかかる為、少ないが税金は引かれるらしい。あとは、死んでいるはずなのに病気には罹るそうなので、健康保険料は引かれるそうだ(どんな病気に罹るのか聞いたら、風邪とかうつ病とか?と案外普通の病名が出てきた)。現役世代ばかりなので、こちらも金額的には少ないらしいが。
それから、現世では破綻寸前と言われる年金は、ないとのことだ。死んでいるので歳は取らない、というのが理由である。
本当に、至れり尽くせりだ。
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