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幽霊の才能
「とりあえず、見た目だけは立派な幽霊なら、幽霊でしょ!?」
不足はないはずだ。肉体、もう焼けちゃってないから、生き返ることは不可能だし。
「ええ、でも、才能がありません」
「幽霊の才能って何!?人を怖がらせればいいの?祟ってやればいいの?取り憑いてやればいいわけ?」
生きている時も、才能皆無な凡人だった。平均よりちょっと下(と思いたい)に位置する、抜きん出たものが何一つない、全部中途半端な凡人。むしろ、出来の悪い方に入っていたのではないかと思う。
このカマキリ眼鏡女、死後までも人を貶めるようなこと言いやがって!!
そう思って食って掛かると、カマキリ眼鏡女はあから様に溜息を吐いてみせた。
「では、見てみますか?」
何を?と問う前に、カマキリ眼鏡女は歩き出す。
その後を、はぐれないようについて行くと、たくさんのモニターが並んでいた。
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