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そうして出来上がった家は最高の出来だった。
正直、見た目は樹だが、中は王都でも一二を争う豪邸と言われた我が家のそれを上回ると思う。
取り敢えず、中は上に3階、地下に3階の計6階建て。ちなみに魔法陣によって作る空間は魔力を流すものの力量によって作れる広さが変わるらしいが、そこは主様がやってくれたので、城1個分は余裕らしい。普通はタンス1個分、多いものでも庶民の家1個分らしい。
1番上の3階は俺とリルの部屋。2階は書斎や、会議室など、打ち合わせや会議に使うような部屋等。1階はロビーと客間、客室を何室か設けている。地下1階は身体を動かせるように訓練場を作り、地下2階は貴重なものや重要なものをしまう保管庫。地下3階は使わない方が良いがいざと言う時のために部屋を作っている。今は秘密だ。
俺の部屋は、樹の中を意識してログハウス風の部屋にしてみた。家具はベッドとテーブルとソファとタンスくらいしか無い。そしてどういう原理か部屋に付いてる窓からは、しっかり外の風景を見れるのだ。もちろん外からこの家は見えないのだけど。
そのおかげか前の部屋に比べれば殺風景だが、陽の光が部屋に差し込むと部屋全体を包み、木の香りと部屋の雰囲気が気持ちを軽くする。リラックス効果は抜群だ。
この部屋を見たリルは「私もそうすれば良かった・・・」と呟くくらい気に入ったらしく、暇あれば俺の部屋で本を読んだり、日向ぼっこをしている。
リルの部屋は以前の部屋を元にしたらしく高級感漂う部屋だ。柔らかい絨毯が敷いてあり、ベッドも天板付きだ。俺も似たような部屋だったので、リルが俺の部屋に来ない時は懐かしさを求めてか、逆に落ち着くからか、俺がリルの部屋に泊まりに行くこともしばしばある。
もはや、2人の間に遠慮は無いってくらい、気心知った仲だ。
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