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「失礼ですが、王女殿下。そちらは?」
「あぁそうね、貴方は最近来ていなかったら知らないでしょう。
彼はレイ・ダリン。ダリン男爵の養子で、あの光属性を持っている勇者様なの。この方は国にとって、いえ世界にとっても必要な方なのよ。・・・貴方と違ってね」
そう吐き捨てるように言った女王殿下に俺は目眩がした。
この王女殿下は勘違いをしている。この国には多くは無いが、魔法が使えるものがいる。そしてそれは貴族に多く、俺も魔法その一人だ。
この学院に通う目的はいくつかある。貴族としてのマナーなどを学びに来ているもの、数ある分野の研究のために来ているもの、そして魔法を使いこなせるように来ているものがいる。
俺の場合は勉学と魔法のためだ。
魔法は体内を循環する魔力を操りあらゆる事象をおこす。火属性であれば火をおこし。水属性であれば、水を出すように。
ただし体内に宿る魔力には限界があるので、無駄を減らし、より強く、無駄のない魔法を使えるように、そして制御しきれない魔力が体内を暴走して身を滅ぼすことが無いように訓練するのが目的だ。
そして、彼が持つという光属性というのは、とても稀な属性で過去の書物を見ても片手で数えるくらいしか居ないくらいレアな属性だ。
そしてこの属性を持ったものは必ず何か武功を上げている。特に有名なのは初代勇者と呼ばれるものが、世界を危機に陥れた魔王を倒した話だ。他にも3代目は光の魔法で、発症してわずか数時間で命を落とすと言われた、悪魔の伝染病を完治させ、世界から病の元消し去ったとか。他にも、光属性の国王が統治した国は資源に困ることも、災害による被害もなく、繁栄の道を辿ったとか。
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