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天の国
ここは、さまざまな神や精霊たちが住まうところ。人間から見ると、とても美しく輝く国に見えるようだ。そこは、神々の楽園と呼ばれており、人間という種族は決して近づいてはならないといわれている。
なぜかって?それは、人間が一番神と姿かたちが似ていて、心通いやすいからです。
人間は、神と恋をしてはならない。
それが、天の国のきまりです。
天の国は、きれいな緑色の絨毯が国一面にひかれており、木々は揺らめき、色とりどりの花が咲き乱れています。そんな緑豊かな国には、輝くような美しさを持った神々が暮らしています。そう、あの時の男たちもそのひとりかもしれませんね。だって、この国にいるのだから。
「はあ〜、疲れた〜。何か食べようよ!」
「はぁ、待て。まだダメだ。」
「え〜、なんで〜。」
「まだ、あの方へ報告していない。報告が終わってからだ!」
「ぶ〜!ふん!分かってるよ〜だ。」
少年は、拗ねた顔で大きな神殿に向かって歩いて行きました。
「なんだよ、いいじゃん。ちょっとぐらい遅れてもさ。」
「そういうな、きっとあの方も気になって仕方ないだろうからな。俺も、早く伝えておきたい。すまんな。」
男は、落ち込んだ様子でそう言いました。少年は、それを目をぱちくりさせながら聞いていました。
「・・・・まあ、そうだよね。うん、分かった。早く行こう。」
少年も、悲しそうな顔でそう言いました。
二人は、落ち込んだ様子のまま歩き続けました。妖精たちが住んでいるエリアを抜け、物づくりの神のエリアに入りました。更に進んでいくと、目の前に大きな神殿がありました。その神殿こそ、この世界の創造主が住まうところです。二人は、門番にあいさつをして入っていくと、いつもいるはずの者たちまでいませんでした。ガランとした廊下がもの寂しい風情を醸し出していました。
「ねぇ、誰もいないよ。」
「・・・・・仕方ないだろう。地上が、あれではな。」
「あっ、うん。」
少年は、先まである廊下を寂しそうに眺めた後、再び男の後に続いて歩き出しました。
長い、長い廊下を真っ直ぐ進んで行くと、金の細工を施した重厚な扉がありました。二人は、その扉の前に立つと。
「行くぞ。」
「うん。」
そう言って、扉の向こうに消えて行きました。
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