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地上の民
トルテアルールたちは、自宅に戻りました。二人は、椅子に向かい合って座り、小鳥のアーマルスキオはテーブルの上にちょこんと乗っていました。トルテアルールが、紅茶を入れて皆一息つくと、ディオスラインは少しずつ語り始めました。
「俺たちがいた場所には、昔からいさかいの耐えない国々があった。それは、本当にたいしたことのない理由からいつも始まっていた。だが今回は、それがやりすぎだったということだ。あの辺で一番大きな国が、ある魔法を解き放った。破壊魔法のひとつだがな。結局その魔法で地上のほとんどが吹き飛ばされた。後先考えずに力を振るったのだろう。おかげで何もない。」
小鳥のアーマルスキオは、不思議に思いました。
『何で?何でいさかいが起こるの?』
「う〜ん。何でって、人間には欲しい物がたくさんあるからじゃない?あっ、後は怒りのゲージが高まると戦争みたいないさかいが起こるんじゃない?僕らは、そう考えてるんだ。」
トルテアルールが、アーマルスキオの問に答えました。
『ふ〜ん。じゃあ、それはいつ終わるの?』
「終わらないな。人間が、いる限り・・・・。」
ディオスラインは、疲れきった顔でそう話しました。
『へぇ。じゃあ、二人は何をしてたの?』
さすがは、小鳥です。好奇心旺盛でいろいろなことを聞きたがりました。それを二人は、嫌がることもなく答えていました。
「それは、生き残りがいないか探していた。」
「小鳥一羽見逃しちゃったけどね。でも、他には何もなかったのは確かだけどね。」
二人の話しを聞いてもアーマルスキオはまだ納得できませんでした。
「ふ〜ん。」
「で?キオ、他に何か聞きたいことは?」
トルテアルールの言葉にキオは、ほんの少しだけ考えるとそれ以上何も聞きませんでした。
『う〜ん、別にいい。ありがとう。』
「以外にあっさりしているな。もっと聞いて来るかと思ったぞ。」
ディオスラインは、安心したように語りました。
「まあまあ、いいじゃん。ディオ、それよりキオのこと聞いてみようよ。」
「・・・・・まあ、そうか。分かった。ルーに任せる。」
「そお?じゃあ、キオ。今度は、僕らの番だよ。」
ルーは、キオに向かって嬉しそうに話し始めました。
「何せここには、滅多にお客さんなんて来ないからね♪だから、いっぱい話してお互いを知っていこうね。僕はね、友信の神なんだ。あっ、友信っていうのはね。友情とか信頼のことをいうんだ!僕は、生き物全ての友情と信頼の心を司る神なんだ。君は?君は、誰なの?教えて、キオ。」
ルーは、穏やかな表情でそうキオに語りかけていました。
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