52.ちゃんと知りたい【Side:鈴木孝明】

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 ねえ、崎坂くん、キミはもしかして……麻衣子と仲良くする僕にヤキモチを妬いてくれてるの?  僕が立花さんとキミの関係にモヤモヤするみたいに、どうしようもなくドロドロとした気持ちに支配されていたり、する?  僕はそれを、どうしても確認したくなってしまった。 「前に崎坂くんは……もう、あの人が全てじゃないって……。僕に――僕に、興味があるって言ってくれた。でもそれは……別に僕のことが好きってわけじゃないんだよね?」 「……」 「だったら……だったら正直、確かに僕は君が好きだけど……だからって、そこまで言われる筋合いは、ない……と思うんだけど」  わざと揺さぶりをかけるみたいに挑発的なことを言って、崎坂くんの反応を見る。  さっきから崎坂くんがやたらと苛立っている原因……。  それをはっきりさせるのは正直怖いけれど……。そんなことあるわけねぇだろ、と言われてしまったら立ち直れない気がするけれど……。  それでも、今を逃したら聞けない気がするんだ。 「だって……まるで妬いてくれてるみたいに見える……」  僕は今日崎坂くんに会ってからずっと、胸の奥に感じてきた違和感の正体を崎坂くんに突きつけた。  違うって言われたら……どうしよう。  不意に不安になって、僕は逃げ道を作るみたいに「そ、そう見えるだけかもしれないけど……」と付け加えてから、でも……やっぱりそうとしか思えないんだよとも思ってしまって――。無意識にはにかんでしまう。  そんな僕を見た崎坂くんが赤面するとか……誰が想像できただろう?  そんな表情を見せられたら、自惚れたっていいよね?と思うじゃないか。  僕は崎坂くんの手首をギュッと握り直すと、彼の目をじっと見つめて勝負に出た。 「ねぇ、崎坂くん。キミのほうこそ、僕のこと、好きだよね?」
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