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「……もっとどろどろにしてあげましょうか」
顔を近づけ、耳朶を舐める。舐めながら、囁きながら、一方で手早く自分の前たてを寛げる。
下着の中から取り出したその先を、鈴木さんの下腹部に押し付ける。その瞬間、鈴木さんは驚いたように瞠目したが、「やめて」という言葉は出てこなかった。
そのことに内心ほっとする。ほっとしてから、思わず自嘲気味に笑ってしまう。
「何で平気なの?」と言いかけた言葉を飲み込んで、「アンタノンケでしょ」と苦笑を重ねた。
そんな俺の頬に、鈴木さんがおもむろに触れる。
何も言わないまま、どこか慰めるみたいに撫でられて、俺は不覚にも鼻の奥がツンとするのを感じてしまう。
「案外、余裕あるんですね」
俺は誤魔化すように吐息して、その手を取った。
「触って下さい。――ほら」
掴んだ鈴木さんの手を、自分の下腹部へと導き、張り詰めたそれに触れさせる。まだ一度も達していないそれはがちがちで、先端は微かに湿っていた。
握り込むよう促せば、鈴木さんの喉が小さく上下する。明らかに動揺したのが分かったけれど、そのくせ指先は素直にそれに従った。
「……アンタのも出して」
えっ、と鈴木さんの唇が僅かに動く。悩む隙を与えないように、「早く」と急かした。
言われるまま、鈴木さんは自分の下着に手を掛けた。躊躇いながらも、濡れて張り付いていた布地をずらしていく。
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