通学、バス、教室

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通学、バス、教室

家はたくさんあって車もそこそこ走ってはいるが遠くに山が見え、道路がでこぼこだ。晴れてはいるが雨が上がった直後のような匂いがする。ど田舎ではないが、決して都会ではない。そんな道路をぼんやりと歩いている。空の青はあまり濃くはない、淡い水色で薄い雲がゆっくりと流れている。 そのとき、ふと、今日は自電車がないから歩いて高校まで行かないといけないということを思い出す。穏やかで暑くもなく寒くもなく、心地よい景色の中をゆったりと歩く。高校までのバスはあるが、時間が合わないからめったに乗らない。高校まで後どれくらいだろうか、と考えながら歩き、傾斜の少ない坂の下り坂にある横断歩道の信号を待っていた。するりとバスが来た。中には隣のクラスの生徒だろうか。同じ学校の顔見知りたちが乗っていた。この時間にバスはあっただろうか、と少し思ったが、なぜかバスのドアがプシュー、と音を立てて開いた。いつもと明らかに異なることが起きているのに、中に顔見知りが乗っていたのもあってか、疑うこともなく、乗り込んだ。バスは自分を乗せると、また扉を閉じ、走り出す。そんなに混んでもいなかったので、真ん中のひとり席に腰を下ろした。
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