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『あー、あー。マイクテストー、マイクテストー。皆揃ってる?』 リリーヴとイーヴァの最終決戦から二週間が経った。 決戦によって起きたあらゆる事柄が落ち着きを見せ始め、ようやくこの日を迎えることができる。 リリーヴ本部、食堂。 食事以外にも様々な用途で使用される大部屋だが、今日は特に騒がしい。 室内にマイクを通した声が響き、ざわざわと雑多に騒いでいた話し声が止んだ。 皆の視線が集中する先には、マイクを持った幟季さんの姿。 『うん、問題なさそうだね。まずは皆、本当にお疲れ様。僕との約束を守りぬいて、生きてくれてありがとう』 背後の壁には『リリーヴ祝勝会!!』と達筆な文字で書かれた幕が張られている。 そして幟季さんの前には、豪勢な料理が並んでいて、俺の周囲には祝勝会に集められた大勢のリリーヴの面々がこの場に揃っていた。 そう、これはあのイーヴァとの最終決戦で勝利を納めたことを祝う盛大なパーティーだ。 『皆の中には熾烈な戦いで取り返しようのない傷や代償を負ったメンバーもいるけれど、あんなに強敵揃いのイーヴァを相手に、皆がこうして生きていられることがとても嬉しいよ……本当に、本当にありがとう』
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