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まるでコントのように息が合ったやり取りに思わず呆気に取られた。
共に強敵と戦った仲とはいえ、あの癖の強い両支部長に鋭いツッコミをかませる程打ち解けているとは――
やはり祥悟は只者ではないのかもしれない。
「よし、実際に南支部の雰囲気を見た方が早いだろう!! 黒騎士、拙の部下を紹介してやる!! こっちに来い!!」
「Wait!! 飛鳥ッ!! 次は私の北支部のメンバーを紹介させろぉぉっ!!」
「ちょ、待て、やめ……琉斗ぉぉぉっ!?」
あっという間に祥悟が飛鳥さんに引きずられ俺達の元から離れていく。
涙目で俺に助けを求める親友の姿が見えるが、どうやらその助けには応えられそうにない。
「許せ祥悟。俺、あの支部長二人を相手に、止められる気がしないよ……」
助けを求める祥悟にいってらっしゃいと手を振り返せば、後で覚えていろよと真っ青な顔で告げている親友の哀れな姿。
南支部のメンバーに熱烈な歓迎を受けると共に輪の中心へ消えていった。
これも、黒騎士として重ねた罪を償う贖罪の一つとでも思えばいいんじゃないか?
別に命に係わるモノではないし、親友が無事に帰ってくることを祈ることにしよう。
達者でな、祥悟。
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