01.Rock And Roll Is Dead

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喪主は母が務めた。 格好つけて、父のことを親父なんて言ったけど、本人の前で呼んだことはなかった。こえーから。 だから、母のことも、お袋なんて呼んだことはない。 俺は、父に面と向かって『親父』って呼ぶ機会を永遠に失ったんだ。 数々の逸話が残される親父の、葬式。 地元の名士並みに、参列者で溢れかえっている。 それは想定内だ。 対立する色んな組織もこぞってやって来るから、国家公務員も派遣されていた。 勿論、それも想定内だ。 でも、一体どうなってんだよ! 想定外の事態が発生。 さっきから、ひっきりなしなんだけど。 俺と大して変わらない年齢の女の子達が葬式にやって来る。 外人っぽい娘も居るんだけど。 皆、手紙を持参している、親父の直筆だという手紙を。 やんちゃな親父……まさか、と言うか多分、いや絶対……隠し子だよな。 どんだけロッケンローなんだよ!
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