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『あはは、もしもーし?起きてよ~』
……おや?ここは……
『急に寝ちゃうんだから。ちょっと飲み過ぎだよ!はいお水』
……翔子……!?
『……あー……
お前が変な事言うから、酷い夢見たよ……』
『えー!?酷い夢!?』
『ああ……もう思い出したくない』
『ごめんなさい。怖かったの?』
……怖かった……
……怖かった!!
翔子を抱きしめようとした。
しかしそれは出来なかった。
……?
まあいいか。夢だったんだし。
『ふふっ。ねえ……さっきの料理、美味しかったね』
『ああ』
『あの活け作り凄かったよね!?
骨だけになったと思ったお魚が生きてたよね!』
ああ、凄かったな。
滅多に見れる技術じゃない。
魚をおろす時に、内蔵を傷付けない様にして取り出し、濡れた布巾に包む。
すると肉を削がれても魚は生きてるってんだから。
また食べたいな……
でも今はもう寝よう。
『おやすみ、井上君。また明日食べようね』
まさか彼は自分がその状態であるとは、夢にも思わなかった。
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