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Episode 2 おはよう
優とは色々な話をした。子供の頃、家電などを分解するのが好きだったとか、家の近くにあるサブカルチャーの元祖となった、雑貨と本屋の合体した店によく出入りしていたとか、やはり優はマニアックな学生時代を過ごしたらしい。
すっかり楽しくて時間が過ぎるのが早くて、途中まで一緒に帰ったと思っていた。
ん?途中?
何となくいつもと違った布団の温もりに抱かれながら、オレは目を開けた。カーテン越しに朝日が差すのをうらめしく思いながら、掛け布団に手をかけて固まった。
ちょっと待て!いや、嘘だよ、いやいやいや、それはない、と思うんだけど。
自分の言動に自信がなくなる経験は良くあることだが、振り向いた時に見えた長い階段を数えること程、面倒でつまらない行為はない。
オレは今、そんな状況にぶつかってしまっていた。
なんで?なんで優がここにいるのッ?しかも素っ裸!?
オレはおもわず変な声が出そうになって口を自発的に抑えた。
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