808人が本棚に入れています
本棚に追加
/127ページ
「で、今週も水曜日に高山君が来てくれて、話をしたんだ。オレも智之も、浅野君は可愛い部下だからね。会社辞めても君には幸せになって欲しいと願ってるから、何度だって背中を押し続けるさ」
「おい、シゲ、肝心の内容が抜けてる!」
「ああ、そうだった。高山君、浅野君の気持ちを待つんだって、そう言ってた」
二人は影でかなりお節介をやいていてくれたらしい。
「浅野!もう腹括って直ぐに高山君の気持ちに応えてやれよ?あっと言う間にまた1年経って正月来ちまうぞ?」
自分の時はかなり悩んでいたくせに、笹本課長も武岡さんもオレの事に関しては前のめりじゃん。
それでも、嬉しかった。優はまだ、オレを好きでいてくれている。だったら、この恋が冬の寒さで凍えてしまわないうちに、オレは優に飛び込もう。
「……考えておくよ。二人ともありがとう」
ひとりっ子のオレには、二人の温かさが心に沁みた。
最初のコメントを投稿しよう!