第1章

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5月7日 「あぁー今日もいっぱい働いた♪」 日勤を終え自宅に向かう。 途中近所で美味しいと評判のパン屋へ寄り、明日の朝食用の食パンを買った。 「今夜醒はバイトの日だっけ?夕食早めに食べさせて出勤させないとまた叔母さんから催促の電話掛かってくるかな? よし、ついでにスーパーも寄るかな♪」 一人言にしては大きめに呟きながら私はその足でスーパーへ。 弟と暮らし始めて2年、そこそこ料理にも慣れてきた方だと思う。 20歳まで叔母さんの管理の元一緒に暮らしていたが、醒ももうすぐ大人になるからという理由で二人暮らしさせてもらうことにした。 その全てのお金を叔母さんが管理していてくれた両親の保険金でまかない、生活費は自分たちで稼ぐ、これから独り立ちするために必要な過程でもあった。 そして若さゆえに甘えてすぐ手を出さないようにと残りのお金は継続して叔母さんの管理としてもらった。 両親の命のお金は何かあった時の最後の手段、なるべく頼らないあてにしない、それが私と醒の中で決めた約束だった。 ま、何かと醒は頼ろうとするけど。 .
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