第1章

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「醒!5分遅刻よ!」 「えっ、マジ?!だっておれの時計...あ、止まってた!」 「本当にあんたって子は...」 出勤して早々叔母であるCLUB COEUR(クール)の志麻ママに叱られたおれ。 でも何だかんだいってママはおれを可愛がってくれる。 自分に子供がいないからか、イケメンで人気もあるボーイは重宝するからか。 「早く着替えてテーブルセッティングして。佑一郎先生が大切なお客様連れて来るって言ってたから、VIPに4名分よ!」 「はぁーい!」 「返事は短く!」 「はい、はい!」 「二度言わない!」 「はい、分かりました。志麻ママ♪」 「本当に...醒は♪」 ニカッと笑って見せたらやっぱり笑い返してくれた。 おれに甘い叔母、楽勝だな♪ ロッカールームで黒服に着替え、ビシッと髪も整えた。 鏡に映るおれは“なんてイケメンだ”なんてナルシストに浸り蝶ネクタイをイジる。 (佑一郎先生か...志麻ママの彼氏だったっけ?) 何度か来店する姿は見ていたが、つい先日ママが今彼だと教えてくれた。 どっかの大きい病院経営する偉い人らしく、50代だろう見た目は○○軍団の中の渋いオジサンのよう。 長身でスーツが似合うその人は店での羽振りも超良かった。 .
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