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「醒!5分遅刻よ!」
「えっ、マジ?!だっておれの時計...あ、止まってた!」
「本当にあんたって子は...」
出勤して早々叔母であるCLUB COEUR(クール)の志麻ママに叱られたおれ。
でも何だかんだいってママはおれを可愛がってくれる。
自分に子供がいないからか、イケメンで人気もあるボーイは重宝するからか。
「早く着替えてテーブルセッティングして。佑一郎先生が大切なお客様連れて来るって言ってたから、VIPに4名分よ!」
「はぁーい!」
「返事は短く!」
「はい、はい!」
「二度言わない!」
「はい、分かりました。志麻ママ♪」
「本当に...醒は♪」
ニカッと笑って見せたらやっぱり笑い返してくれた。
おれに甘い叔母、楽勝だな♪
ロッカールームで黒服に着替え、ビシッと髪も整えた。
鏡に映るおれは“なんてイケメンだ”なんてナルシストに浸り蝶ネクタイをイジる。
(佑一郎先生か...志麻ママの彼氏だったっけ?)
何度か来店する姿は見ていたが、つい先日ママが今彼だと教えてくれた。
どっかの大きい病院経営する偉い人らしく、50代だろう見た目は○○軍団の中の渋いオジサンのよう。
長身でスーツが似合うその人は店での羽振りも超良かった。
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